冬の乾燥した時期になると
よく尿素配合のクリームのCMが流れますが、
ガサガサおしりや黒ずみおしりにも尿素が効くらしいという噂が。
本当に効果ありなのでしょうか。
そもそも尿素って何者?
「尿」なんて書いてあるので、大丈夫??と心配になる尿素ですが、
元々は私たちの体に備わっているNMF(天然素質因子)と呼ばれる天然成分なんです。
お肌の表皮の角層に7%ほど、汗にも微量に含まれるそうです。
保湿クリームだけでなく、肥料などにも含まれています。
なんで「“尿”素」なの?
体内でたんぱく質がアミノ酸に分解されるときに、アンモニアになるのですが、
そのアンモニアがオルニチン回路というところで有毒なものから無毒なものに変化し、
そして体内で不要となった尿素は尿として排出されます。
尿素が初めて発見されたのも尿中だったので、
「尿素」という名前になったようです。
尿素がお肌にいいと言われているのは何故?
尿素は非常に水に溶けやすいという性質を持っています。
また、皮膚の中に元々備わっている成分でもあります。
そのため、お肌に浸透していきやすく、
水分を吸着する=保湿力が高い、とされているのです。
そして、浸透力が高いだけでなく、
尿素にはお肌を柔らかく、滑らかにする性質もあるのです。
それは尿素の持つ、たんぱく質の水素結合を破壊するという性質によるものです。
「尿素が結合を破壊」というと少し怖いですが、主にたんぱく質で出来ているお肌。
そのガチガチに結合して硬くなった たんぱく質を
尿素が上手く解いてくれるようなイメージです。
ガサガサ・黒ずみおしりにはどんな効果があるの?
ガサガサ・黒ずみおしりの原因の一つとして、
・座ったことによる、下着などとの摩擦で受けた肌のダメージによるもの
・座って体重がかかることによる、血行不良によるターンオーバーの乱れ
が挙げられます。
摩擦でダメージを受けたお肌は
「もっと強くなろう!」と角質を分厚くしていきますし、
ターンオーバーが乱れたお肌も、上手く水分や栄養がもらえず、
お肌を生まれ変わらせることができない状態ですので、
古い角質がいつまでも残り、水分が不足した硬いおしりとなってしまいます。
そんな硬くなってしまったおしりには
それを分解して柔らかくしてくれたり、
保湿力の強い尿素がピッタリ!!とも言えます。
尿素にはデメリットもある!!
こんなにガサガサおしりや黒ずみおしりにピッタリと思える
尿素配合のクリームですが、いいことばかりではありません。
と、いうのも、先ほど
怖くないよ~というようなお話をしたかと思います。
恐ろしくないことは事実なのですが、
時にお肌を柔らかくするということは刺激が強すぎて、
かぶれやただれのような状態になってしまうことも可能性としてはあるのです。
よく似ていることを言われるのが、スクラブなどのピーリングです。
古い角質が削れるメリットもありますが、
やりすぎると逆にお肌を痛めて真っ赤になってしまう…なんてことがありますよね。
同じようなことが尿素系のクリームでも起こる可能性があるということです。
もともとガサガサ・黒ずみおしりはお肌が異常のサインを出している状態です。
そのため、パッチテストをしてから使用するようにすること。
また、使用頻度を少なめにすること。
など、ご自分のお肌の状態と相談しながら使用するとよいかもしれません。
効果がない可能性も…??
デメリットなお話ばかりで申し訳ないのですが、
尿素には黒ずみを消すという直接の効果はありません。
あくまでも角質を柔らかくしたり、
保湿力を上げる効果が期待できるということです。
古い角質が剥がれ落ち、お肌が生まれ変わって色が薄くなってくる…
ということはあるかもしれませんが、
何とかして黒ずみを早く消したい!という場合には、
黒ずみ除去専用クリームなどの使用の検討も必要かもしれません。